タワー・オブ・パワー ― 2003/08/25 01:38
タワー・オブ・パワーは、知らない人には全然関係ないけれど、知っている人好きな人には、たまらないという類のバンドだろう。僕の場合は後者。もう20年以上前になるが、日本公演へ出かけて、アンコールで舞台下まで行って、握手したこともある。
とはいっても、最近は情報に疎いので、彼らの、六年ぶりのニューアルバム(もう、結成35年になる)が、日本でも6月に発売されていることは全然知らなかった。
最近読んでいる音楽雑誌は『レコード・コレクターズ』だけなので、新譜情報はなかなか入ってこない。タワー・オブ・パワーの新作を知ったのも、思わぬことからだった。
僕は、山下達郎のFMラジオ番組「サンデー・ソングブック」を毎週楽しみに聴いているが、時には、たまたま自宅にいなくて、あとから、録音したものを聴くことがある(生で聴けるときも、録音はしていて、あとで繰り返し聴く。そのあとは、CD-Rに焼いて、車のなかでも聴く)。
その「サンデー・ソングブック」の録音を聴き返していたのだが、6月30日に閉館した東急文化会館が話題になっていた。僕は、高校も大学もそのあとの就職先も、渋谷から近かったので、東急文化会館はお馴染みの場所だ。三省堂書店にもよく行ったし、映画もよく見た。大学浪人しているとき、たまたまもらった招待券で、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードの『スティング』を見て、何の予備知識もなかったので、最後のどんでん返しで、まさにひっくり返ったことを今でも思い出す。
そうか、東急文化会館は閉館したのか、と思って、グーグルで検索してみた。
そうしたら、DENKADELIC!というブログのページの記事「さらば東急文化会館」が出てきた。(このページはすでにない) この人は、インディーズ系のバンドでドラムを叩いているらしいが、ブログはなかかな面白い。いろいろ読んでいくうちに見つけたのが、タワー・オブ・パワーの最新オリジナルアルバム「オークランド・ゾーン」発売の記事。
ニューアルバムの全曲は、インターネットで視聴可能(このページもすでにない)。インターネットで全曲聴かせてしまって、商売になるのだろうか? ホームページ上では、14曲聴くには、一曲終わるごとにクリックしないといけないが、たとえばReal Audioなら、~.ramのファイルをハードディスクに保存すれば(ramファイルは、実際の楽曲のファイルがある場所を指定するだけのファイル)、いちいちホームページにアクセスしなくても、リアルオーディオを開くだけで、タワー・オブ・パワーのニューアルバムの全14曲を続けて聴くことができる。音質は、44kbpsとそれほどよくないが(普通MP3で聴いているときは、128kbps。MP3とReal Audioをそのまま比較できるかどうかはよくわからないが)、パソコンで仕事をしながら聴くぶんにはそれほど悪い音質ではない。
タワー・オブ・パワーの最新オリジナルアルバムは、とてもよかった。35年経っても初期のパワーを失わないのは、ジェームス・ブラウンくらいスゴイ! 日本盤には2曲追加収録されているというから、CDも買おうかと思っている(ということは、全曲聴かせたレコード会社の宣伝戦略の勝利か!)。
タワー・オブ・パワーのについて、検索していたら、充実したホームページも見つけた。http://www.towerofpower.jp/
2003/8/25
http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk/
とはいっても、最近は情報に疎いので、彼らの、六年ぶりのニューアルバム(もう、結成35年になる)が、日本でも6月に発売されていることは全然知らなかった。
最近読んでいる音楽雑誌は『レコード・コレクターズ』だけなので、新譜情報はなかなか入ってこない。タワー・オブ・パワーの新作を知ったのも、思わぬことからだった。
僕は、山下達郎のFMラジオ番組「サンデー・ソングブック」を毎週楽しみに聴いているが、時には、たまたま自宅にいなくて、あとから、録音したものを聴くことがある(生で聴けるときも、録音はしていて、あとで繰り返し聴く。そのあとは、CD-Rに焼いて、車のなかでも聴く)。
その「サンデー・ソングブック」の録音を聴き返していたのだが、6月30日に閉館した東急文化会館が話題になっていた。僕は、高校も大学もそのあとの就職先も、渋谷から近かったので、東急文化会館はお馴染みの場所だ。三省堂書店にもよく行ったし、映画もよく見た。大学浪人しているとき、たまたまもらった招待券で、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードの『スティング』を見て、何の予備知識もなかったので、最後のどんでん返しで、まさにひっくり返ったことを今でも思い出す。
そうか、東急文化会館は閉館したのか、と思って、グーグルで検索してみた。
そうしたら、DENKADELIC!というブログのページの記事「さらば東急文化会館」が出てきた。(このページはすでにない) この人は、インディーズ系のバンドでドラムを叩いているらしいが、ブログはなかかな面白い。いろいろ読んでいくうちに見つけたのが、タワー・オブ・パワーの最新オリジナルアルバム「オークランド・ゾーン」発売の記事。
ニューアルバムの全曲は、インターネットで視聴可能(このページもすでにない)。インターネットで全曲聴かせてしまって、商売になるのだろうか? ホームページ上では、14曲聴くには、一曲終わるごとにクリックしないといけないが、たとえばReal Audioなら、~.ramのファイルをハードディスクに保存すれば(ramファイルは、実際の楽曲のファイルがある場所を指定するだけのファイル)、いちいちホームページにアクセスしなくても、リアルオーディオを開くだけで、タワー・オブ・パワーのニューアルバムの全14曲を続けて聴くことができる。音質は、44kbpsとそれほどよくないが(普通MP3で聴いているときは、128kbps。MP3とReal Audioをそのまま比較できるかどうかはよくわからないが)、パソコンで仕事をしながら聴くぶんにはそれほど悪い音質ではない。
タワー・オブ・パワーの最新オリジナルアルバムは、とてもよかった。35年経っても初期のパワーを失わないのは、ジェームス・ブラウンくらいスゴイ! 日本盤には2曲追加収録されているというから、CDも買おうかと思っている(ということは、全曲聴かせたレコード会社の宣伝戦略の勝利か!)。
タワー・オブ・パワーのについて、検索していたら、充実したホームページも見つけた。http://www.towerofpower.jp/
2003/8/25
http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk/
『ビールの教科書』 ― 2003/08/26 20:37
ビールは難しい。もちろん、ワインも日本酒も難しいのだけれど、ビールはワインのように、何年の何は当たり年でおいしいとか、年代を語ることはない。だから、それほど難しくはないと思っていた。しかし、アメリカ、オレゴン州のポートランドで半年ほど暮らす機会があって、地元のいろんなビールを飲んで、わかっていたと思っていたビールが、訳がわからなくなった。
ポートランドには、いろんなビールがあった。ポートランド“食べ過ぎ”日記(http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk/portland.htm)でも、レストランや食べ物、ビールについてもいろいろ書いている。ポートランドでは、スーパーマーケットに行っても、ピルスナー、スタウトなど、馴染みの名前のほかに、インディア・ペール・エールなど、聞き覚えのない名前のビールが多かった。
ポートランドには、店内に、ビール醸造機を備えたビアレストランもあって、ビールを十分楽しむことができた。ポートランドでは、図書館にも行って、ビールの本も借りたりしたのだけれど、ビール全般のことが大まかにうまく把握できるような本は見つからなかった。世界中のビールメーカーとビールの銘柄をまとめて本は、面白くて役に立ったが、たとえば、“インディア・ペール・エールというのはどんなビールか”というのはどうもよくわからない。
そうした疑問を持ったまま、アメリカ滞在を終えて、日本に戻ってきたが(といっても、別にビールの研究にアメリカに行ったわけではないが)、長年の疑問がようやく解決する本を見つけた。新聞の新刊広告で見かけて、タイトルに引かれて注文したのだが、思った通り、間違いのない本だった。
『ビールの教科書』(講談社選書メチエ 1500円)の著者の青井博幸さんの経歴は面白い。京都大学工学部の修士課程を終えたあと、エンジニアリング会社に勤務。専攻はわからないが、ビールとはあまり関係なさそうだ。それが、自らビールメーカーを起こして地ビールを作り始めた。ビール好きが高じて、会社まで作ってしまったのかと想像してしまう。
四年間創業後、ビール事業は売却、その後は経営コンサルティング会社に転換というが、それも、各地の地ビールの(味や製法の)デザインなどをしているらしい。福島の、「みちのく福島路ビール」も青井さんが設計したようだ。
そうしたとにかくビールへの愛と情熱が伝わってくるのが、この『ビールの教科書』。メールマガジンとして配布していたものを元に書いたそうで、おそらく読者とのやりとりから、書き直したり、書き加えたところがあって、わかりやすい内容になっている。
この本を読めば、ビールについて、基礎的以上の知識を身に付けられる。特にビールの種類と製法と説明がわかりやすく、しかも詳しい。
たとえば、ビールの製法には、上面発酵と下面発酵がある。酵母によって、上面で発酵するものと下面で発酵するのがあるというふうに僕は理解していたが、実は、発酵したあと、酵母が下にたまるのが、下面発酵、上に浮かぶのが上面発酵だそうだ。青井さんは、さらに、上面発酵でも、温度を下げると、酵母は下にたまると解説している。
さらに、上面、下面という区別より重要なのは、上面発酵(エール)は、18度~22度、下面発酵(ラガー)は、5度~10度という違いのようだ。これで、上面発酵/下面発酵についての長年の疑問が解けた気がした。
また、インディア・ペール・エールというのは、かつてイギリスから植民地のインドへ、ビールを運ぶとき、気温の高い熱帯を通るので、ビールが腐敗してしまう(もちろん冷蔵庫などない)。それを防ぐために、アルコール度を高くして、ホップもたくさん加えたという話も面白かった。
ホップは、今は香りと苦みのために加えているが、最初は、殺菌して腐敗を防ぐためのものだったのだ。
本当に、この本は、無駄(?)な知識も含めて、ビールに関することがいろいろわかって楽しい。今の日本の発泡酒ブームや、同じようなビールばかり造っている大メーカーへの苦言も、納得できる。
巻末に載っている地ビールのリストと紹介文を見ながら、日本の地ビールももっと飲んでみたいと思った。大メーカーのビールは止めて、福島路ビールを、もっと飲もうかと思っている。
2003/08/26
suzuki.yasuyuki@nifty.ne.jp
http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk/
ポートランドには、いろんなビールがあった。ポートランド“食べ過ぎ”日記(http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk/portland.htm)でも、レストランや食べ物、ビールについてもいろいろ書いている。ポートランドでは、スーパーマーケットに行っても、ピルスナー、スタウトなど、馴染みの名前のほかに、インディア・ペール・エールなど、聞き覚えのない名前のビールが多かった。
ポートランドには、店内に、ビール醸造機を備えたビアレストランもあって、ビールを十分楽しむことができた。ポートランドでは、図書館にも行って、ビールの本も借りたりしたのだけれど、ビール全般のことが大まかにうまく把握できるような本は見つからなかった。世界中のビールメーカーとビールの銘柄をまとめて本は、面白くて役に立ったが、たとえば、“インディア・ペール・エールというのはどんなビールか”というのはどうもよくわからない。
そうした疑問を持ったまま、アメリカ滞在を終えて、日本に戻ってきたが(といっても、別にビールの研究にアメリカに行ったわけではないが)、長年の疑問がようやく解決する本を見つけた。新聞の新刊広告で見かけて、タイトルに引かれて注文したのだが、思った通り、間違いのない本だった。
『ビールの教科書』(講談社選書メチエ 1500円)の著者の青井博幸さんの経歴は面白い。京都大学工学部の修士課程を終えたあと、エンジニアリング会社に勤務。専攻はわからないが、ビールとはあまり関係なさそうだ。それが、自らビールメーカーを起こして地ビールを作り始めた。ビール好きが高じて、会社まで作ってしまったのかと想像してしまう。
四年間創業後、ビール事業は売却、その後は経営コンサルティング会社に転換というが、それも、各地の地ビールの(味や製法の)デザインなどをしているらしい。福島の、「みちのく福島路ビール」も青井さんが設計したようだ。
そうしたとにかくビールへの愛と情熱が伝わってくるのが、この『ビールの教科書』。メールマガジンとして配布していたものを元に書いたそうで、おそらく読者とのやりとりから、書き直したり、書き加えたところがあって、わかりやすい内容になっている。
この本を読めば、ビールについて、基礎的以上の知識を身に付けられる。特にビールの種類と製法と説明がわかりやすく、しかも詳しい。
たとえば、ビールの製法には、上面発酵と下面発酵がある。酵母によって、上面で発酵するものと下面で発酵するのがあるというふうに僕は理解していたが、実は、発酵したあと、酵母が下にたまるのが、下面発酵、上に浮かぶのが上面発酵だそうだ。青井さんは、さらに、上面発酵でも、温度を下げると、酵母は下にたまると解説している。
さらに、上面、下面という区別より重要なのは、上面発酵(エール)は、18度~22度、下面発酵(ラガー)は、5度~10度という違いのようだ。これで、上面発酵/下面発酵についての長年の疑問が解けた気がした。
また、インディア・ペール・エールというのは、かつてイギリスから植民地のインドへ、ビールを運ぶとき、気温の高い熱帯を通るので、ビールが腐敗してしまう(もちろん冷蔵庫などない)。それを防ぐために、アルコール度を高くして、ホップもたくさん加えたという話も面白かった。
ホップは、今は香りと苦みのために加えているが、最初は、殺菌して腐敗を防ぐためのものだったのだ。
本当に、この本は、無駄(?)な知識も含めて、ビールに関することがいろいろわかって楽しい。今の日本の発泡酒ブームや、同じようなビールばかり造っている大メーカーへの苦言も、納得できる。
巻末に載っている地ビールのリストと紹介文を見ながら、日本の地ビールももっと飲んでみたいと思った。大メーカーのビールは止めて、福島路ビールを、もっと飲もうかと思っている。
2003/08/26
suzuki.yasuyuki@nifty.ne.jp
http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk/
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