神戸で暮らす2004/07/16 14:07

 昨年始めたブログが放りだしたままになっていましたが、2004年4月から1年間の予定で神戸市に滞在していて、いろいろ新しい話もあるので再開しようかと思います。
 まず最初は、初めての関西生活で驚いたことなど。

 今神戸で暮らしているところは、阪急王子公園駅のそば。近くに水道筋商店街という古くからの商店街があり、ここがなかなか面白い。
 神戸の前に住んでいた東北の福島市(関西では、福島と言えば、大阪市福島区なので、「東北の」と言わないといけない)では、歩いて数分のところに小さなスーパーマーケットはあったが、それ以外の買い物は車で出かけなければならなかった。
 その前に二六年間住んでいた東京・世田谷区でも、住宅街の真ん中だったので、たばこ屋が歩いて五分くらいのところにある以外は、どの商店も一〇分以上離れたところにあった。当然、買い物は車だった。
 ところが、神戸に越してきて買い物に車を使うことがほとんどなくなった。最初でこそ、衣装ケース、テーブルなどを買うのに車でリサイクルショップに出かけたりしたが、大きなものの買い物が終われば日常の買い物は歩いて行ける水道筋商店街ですんでしまう。
 今住んでいるアパートからはコンビニまで五分かからないという便利さだ。福島では、近くにスーパーがあっても八時には閉店した。二四時間開いているコンビニが近くにある、という生活は今まで初めてのこと。そういう便利さにどれほど価値があるかは難しいところだが、取りあえずはその便利さを満喫している。反対に、夜中じゅう車の音が絶えることはなく、福島にあった「静かな夜」は存在しない。

 話が横道にそれたが、その水道筋商店街の話。福島市では、大型スーパーや専門のディスカウントショップが幅を利かせて古くからの商店街はほとんど死滅している状態だが、水道筋商店街は活気がある。かといって、とりわけ画期的な取り組みをしているわけでもない。ごく普通の商店街だ。こんな品揃えで大丈夫かなという昔ながらの商店もある。でも取りあえず一日じゅう人の流れが途切れない。
 水道筋商店街を見ていて思うのは、お年寄りの多さだ。福島市では、スーパーに行ってもお年寄りをこれほど見かけることはない。お年寄りがいないとは思えないので、これはたぶん福島では車などの交通手段がないので、お年寄りは買い物に行けないのではないかと想像している。では、いったいどうしているのだろう。
 神戸はもともと山が海に迫っていて土地もそれほど広くない。郊外型スーパーのように、広い駐車場を持った大規模店舗の立地はない。だからこそ、水道筋商店街のような昔ながらの商店街が生き残ったのかもしれない。

 でもとにかく、こうした昔ながらの商店街もなかなかいいものだ。水道筋商店街といってもそれだけではなくて、たて横に他の商店街もつながっている。他に路地のような小さな商店街も隠れていたりする。全貌はなかなか把握できない。
 端まで歩くと三〇分くらいかかるのだが、それも全然苦にならない。いろんな店を冷やかしながら歩けるからだ。福島でもわりと大きなスーパーまで歩いて三〇分弱だったが、歩いていったことはほとんどなかった。住宅街をただ歩くのはそれほど面白くないのだ。
 毎日商店街に出かけて三〇分近く歩いていることで、何と体重も減少した。
(2004.7.16)

鈴木康之 suzuki.yasuyuki@nifty.ne.jp
http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk/